交流戦を除き、DH制を取らないセ・リーグでは当然、投手がバッターボックスに入る。
打てなくて当たり前と思われている投手だが、バッターボックスに入れば野手と同じであり、凡退するよりは安打を放った方が良いに決まっている。
そこで、
「強いチームほど投手の打撃成績は良いのではないか?」と考えが飛躍したため、2007年の投手の打撃成績(ややこしいが)を調べてみた。
まずはチーム別の投手の打率【チーム別】
1東京 .121(256打数31安打)
2広島 .106(245打数26安打)
3横浜 .106(246打数26安打)
4阪神 .106(199打数21安打)
5中日 .085(271打数23安打)
6巨人 .074(258打数19安打)トップの東京ヤクルトと最下位の巨人との間には5分も差があることに驚いたが、もっと驚いたのは投手の打率成績順位をそのままひっくり返すとペナントの順位になるということ。つまり、投手の打撃力はチームの勝敗には全く関係ないということを数字が如実に物語っており、投手の打撃が良いチームの方が勝星は伸びるのでは?という僕の予想は大きく外れる結果となってしまった。
余談になるが、阪神だけに焦点を絞ると、他球団に比べて極端に打数が少ないことが目につく。投手の打数の増減は、打席に立つ機会が多い先発投手の投球イニングが大きく影響していると思われる。ということは、阪神の先発投手は早いイニングで交代を命じられるケースがダントツで多いという証であり、投手の打撃成績を調べた結果、図らずも阪神の先発投手陣はリーグ最低であることを証明する数字を弾き出すことになってしまった。
気を取り直して、投手打撃ランキング【打率】※20打席以上対象
1吉見 祐治(横) .333(18-6)
2石川 雅規(ヤ) .273(22-6)
3高橋 建 (広) .207(29-6)
4川島 亮 (ヤ) .200(20-4)
5ボーグルソン (神) .172(29-5)
6下柳 剛 (神) .162(37-6)
7藤井 秀悟(ヤ) .152(33-5)
8大竹 寛 (広) .150(40-6)
9石井 一久(ヤ) .146(48-7)
10ジャン (神) .143(28-4)吉見と石川の打撃の良さは、野手並みといっても過言ではない。
ただし、両者とも本業の投手としての成績が伴わないところを見ると、自ら打つことで自らを助けるという構図はやっぱり当てはまらないようだ。
4位の川島は、2006年は.333(15-5)と投手部門首位打者で、毎年コンスタントに打っているという点で、投手きっての好打者といえるだろう。
続いて投手の儀打数ランキング【犠打】
1グライシンガー (ヤ) 8
1中田 賢一(中) 8
3高橋 尚成(巨) 7
3金刃 憲人(巨) 7
3高橋 建 (広) 7グライシンガー(16勝)、中田(14勝)、高橋尚(14勝)と、勝星の多い投手は犠打もキッチリ決められる傾向にある。また、高橋健を除く投手は軒並み打率上位にランクインしていないという皮肉な結果となった。
要するに、自分で打って出塁することにより無駄に体力を消耗するよりも、凡退するケースが多くても、チャンスにきちんと犠打を決めさえすれば勝星は伸びるということだろうか。
続いて、三振率を調べてみた。【三振率】※20打席以上
1工藤 公康(横) .750(28打数21三振)
2土肥 義弘(横) .704(27打数19三振)
3山本 昌 (中) .697(33打数23三振)工藤の三振率は凄まじい。が、かつては日本シリーズでサヨナラヒットを記録したこともあり、決して打撃が弱い投手ではない。おそらく工藤ほどのベテランになれば、打撃にエネルギーを費やすような無駄なことはせず、あっさり三振で終わる方が投球に影響がないことを長年の経験により身に染み付いているのだろう。できれば、首位打者・吉見にも、同じチームの誼で「勝ちたかったら打撃を一生懸命やるな!」とアドバイスしてあげて欲しい。
ちなみに最多三振数は35個で内海(巨)だったが、2006年には打率.214(56-12)を記録しており、決して打撃が不得手なわけではない。2007年の巨人の投手陣は総じて打率が悪く、チーム戦略として投手が打つことを規制したのではないか?と余計な詮索をしたくなるほどだ。ただし、結果としてチーム防御率もUPし、リーグ優勝を成し遂げたのだから、投手が打たない方が良いという作戦はあながち見当違いではなさそうだ。
最後に、20回以上打席に立ちながら1本もヒットが打てなかった投手を参考までにあげておく。いくら、チームの勝敗には影響を及ぼさないとはいえ、せっかくバットを持って打席に入るんだから、来年こそはヒットの1本でも打ってもらいたい。特に能見!!
【無安打】※20打席以上
小笠原 孝(中) 38打席ノーヒット
土肥 義弘(横) 35打席ノーヒット
能見 篤史(神) 20打席ノーヒット
松岡 健一(ヤ) 20打席ノーヒット
